ピルとは、人工的に合成された卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲスチン)を含んだ薬剤です。
ピルを服用することの目的の第一はもちろん避妊ですが、ピルの作用を利用して、月経痛、月経不順や子宮内膜症などの改善のためにピルを服用している方もいます。
一方、最近ではこういったピルによる身体面への効果だけでなく、女性の生き方に与えるメリットも注目されています。
女性は自らの身体に生命を宿すことのできる性であり、妊娠・出産できること、それは女性のすばらしさ、かけがえのない誇りでもあります。
しかし、予期せぬ妊娠、ときに出産・育児となれば今の生活を変え、人生設計を大きく変更しなくてはならなくなる・・・
それは女性にとっては大変なことです。自らの夢を持ち、責任ある社会人として生きていくのであれば、自分の意志で避妊を行い、出産や育児の時期をコントロールすることはとても大切なこととなります。
ピルを服用するとその成分である卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲスチン)は、腸から吸収され、肝臓を通って血液中を循環し、それを視床下部が感知します。
脳への情報置換
ピルに含まれる成分(エストロゲン、プロゲスチン)が性上位中枢である視床下部と脳下垂体に作用し、卵巣から既にエストロゲン、プロゲスチンが分泌されているという情報に置き換える為、 FSHとLHの分泌を休止させるので卵子は成熟することが出来ず、排卵が起こりません
さらにピルは、子宮内膜及び子宮頸管にも作用します。
子宮内膜の変化
子宮の入り口である子宮頸管の粘液の性状が濃厚粘調となり、精子の進入を妨げます。
子宮の入り口である子宮頸管の粘液の性状が濃厚粘調となり、精子の進入を妨げます。
第3の矢
万が一、精子が子宮頸管を通過し受精したとしても子宮内膜は着床の準備をしていないので(多少厚くなりますがみずみずしくはなりません)着床することはありません。
ピルは卵巣機能をお休みさせるのです。
この仕組みは、いつも働き続けているものではなく、女性が産む・産まないによって働いたり休んだり、自由にコントロールされているのです。
それが生物としての本来の姿です。
しかし、現代の女性はなかなか妊娠・出産を望まなくなっており、こうしたライフスタイルがむしろ卵巣をいつも働かせ続けており、子宮内膜症などの新たな病気を増やしてもいるのです。
当クリニック使用のピルは、ホルモンの配合パターンにより2種類あります。
黄体ホルモン(プロゲスチン)
卵胞ホルモン(エストロゲン)
にきびへの効果を期待する場合には一相性のファボワールが効果的と考えられます。
通常3ヶ月以内には月経がきます。
以前から月経不順だった人は多少ずれることがありますが、 ほとんどの場合、通常に戻ります。
ピルは、ほぼ100%の避妊率で、将来妊娠可能な薬です。
*血栓症とは、血管の中に血の固まりができ血液の流れが悪くなる病気です。
ピルの副作用は、服用を続けていくとなくなるものや、とても微々たるリスクのみです。
※ 血栓症 (血管の中に血の固まりができ血流が悪くなる病気)にかかる率が普段の1.5〜2倍に増加します。
しかし、血栓症の発症頻度は非常に低いので、実際には大きな問題にはなりません。
ピル認可以来5年間、ピル初回処方時に血液・尿検査などを行ってきましたが、WHOの基準にのっとり、特別な人(病気を持っている・既往のある人)を除いては検査をしなくても問題ないと判断し、
H17.1月より原則として初回の血液・尿検査及び再診時の尿検査を廃止いたしました。
処方の際は、毎回血圧と体重を測定していただくことになります。
※同時に2シート以上もらう場合、2シート目から1シートにつき
¥2570(+消費税)になります
※ 質問がある場合には、診察券に「ピル質問」の札を診察券につけて入れてください。