~たかが生理痛されど生理痛~
【月経痛に関する調査から】
約8割の女性が月経痛を経験しており、約3割の女性に医学的介入が必要です。
“平成12年度厚生科学研究(子ども家庭研究事業)、リプロダクティブ・ヘルスからみた子宮内膜症等の予防、診療、治療に関する研究“をもとに作成、東京大学大学院医学系研究科 甲賀かをり准教授講演の資料より
日常生活に支障が生じるほど、強い苦痛を伴う月経を指します。
痛み・苦痛を感じる閾値は人により異なります。
本人自身が痛み・苦痛と感じた場合に、月経困難症と定義されており、主観的なものでもあります。
月経困難症は機能性、器質性に分類されます。
月経困難症の患者さんの月経血の中には、PGが普通の人の3倍以上という高濃度で存在していることがわかっています。
大量のPGによる子宮の強い収縮が、知覚神経を介して大脳に伝えられるために、強い痛みとして感じるのです。
また、月経に対する不安や緊張感、ストレスなどの心理的な作用が大脳に加わって、いっそう強い痛みを感じます。
イラスト:甲賀かをり准教授講演の資料より
晩婚化、晩産化が進む(平均初婚年齢と母親の平均出生時年齢)
初婚年齢が上ってほぼ30歳となり、第1子出産年齢も30歳を超えました。
厚生労働省「人口動態統計」より作成
平均初婚年齢と母親の平均出生時年齢
初経年齢が早くなり、閉経年齢が遅くなり、月経期間が大幅に延長してきました。
東京大学大学院医学系研究科 甲賀かをり准教授資料より作成
日本の体外受精による出生児数の推移
2020年3月 内閣府 政策統括官(経済社会システム担当)
5万6千人余り誕生出生児の16人に1人
成功しなかった分も含めた治療件数は44万8千件余りで過去最多となった(成功率:約12.数%)
甲賀かをり准教授講演の資料より改変
疾患に起因する月経困難症、過多月経などの改善、病状の進行を抑えるため、LEPやプロゲスチンのホルモン治療やGnRHa療法を行います。
一般的には20-30代にはLEPを、40代以降はプロゲスチンを使用します。
2020年4月より
器質性月経困難症を有する患者さんに対して、継続的で質の高い医療を提供するため、婦人科または産婦人科医が行う定期的な(3ヶ月に1回)医学管理が評価されます。
保険点数は250点です。