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女性の身体について
子宮頚がん予防ワクチン
わが国では2009年に認可され、ワクチン接種が開始しました。
わが国では2009年に認可され、ワクチン接種が開始しました。
当初は子宮頚がんの原因ヒトパピローマウイルス(HPV)の16、18型を予防する2価ワクチンでした。
その後2011年に、16,18型に加え、尖圭コンジローマの原因ウイルスである6,11型も予防できる4価ワクチンが認可されました。

2価ワクチンと4価ワクチンの違い

どちらのワクチンを選びますか

性交未経験かどうか、年齢、性的に活発かどうか、自身の性行動を振り返り感染リスクはどうか、・・・を考えてご自分で決めていただくことです。
ご心配な方は、担当医師とご相談ください。

多くの国々では、二つのワクチンを認可している流れにあります。

主要国における子宮頸がん予防ワクチン(推奨と公費負担の状況 2010)

【オーストラリア】

●優先対象年齢
12~13歳女子学校での接種
●キャッチアップ接種対象
13~18歳女子学生、19~26歳の女性(2年間のキャンペーン)
●公費負担状況
全額公費負担(12~26歳)
●対象ワクチン
サーバリックス・ガーダシル

【アメリカ】

●優先対象年齢
11~12歳女子
●キャッチアップ接種対象
9~10歳女子(医師が必要と判断した場合)、13~26歳の女性(すでに性交渉の経験がある女性、ハップテストで異常が認められた女性、発癌性HPVに感染している女性を含む)
●公費負担状況
公費負担あり*(接種に対し、テキサス、バージニア州などいくつかの州)
●対象ワクチン
サーバリックス・ガーダシル

【イギリス】

●優先対象年齢
12~13歳女子
●キャッチアップ接種対象
18歳まで(2年間のキャンペーン)
●公費負担状況
全額公費負担(12~18歳)
●対象ワクチン
サーバリックス・ガーダシル

【イタリア】

●優先対象年齢
12歳女子
●キャッチアップ接種対象
地方自治体によって違う(ほとんどが13歳)
●公費負担状況
全額公費負担(12歳)
●対象ワクチン
サーバリックス・ガーダシル

【フランス】

●優先対象年齢
14歳女子
●キャッチアップ接種対象
18~23歳(性交渉前か初交から1年以内の女性)
●公費負担状況
国民医療保険で65%カバーされる(14~23歳)
●対象ワクチン
サーバリックス・ガーダシル

【スペイン】

●優先対象年齢
14歳女子
●キャッチアップ接種対象
無し
●公費負担状況
全額公費負担(14歳)
●対象ワクチン
サーバリックス・ガーダシル

【ノルウェー】

●優先対象年齢
11~12歳女子
●キャッチアップ接種対象
13~16歳女子
●公費負担状況
全額公費負担(11~16歳)
●対象ワクチン
サーバリックス・ガーダシル

【ドイツ】

●優先対象年齢
12~17歳女子
●キャッチアップ接種対象
無し
●公費負担状況
医療保険から全額償還される(12~17歳)2007年度に制度変更
●対象ワクチン
サーバリックス・ガーダシル

【オランダ】

●優先対象年齢
12歳女子
●キャッチアップ接種対象
13~16歳女子
●公費負担状況
全額公費負担(12~16歳)
●対象ワクチン
サーバリックス・ガーダシル

【デンマーク】

●優先対象年齢
12歳女子
●キャッチアップ接種対象
13~15歳女子
●公費負担状況
全額公費負担(12~15歳)
●対象ワクチン
サーバリックス・ガーダシル

子宮頸がんワクチン接種によるリスクと恩恵は?

【婦人科領域のがんの発症率推移(20〜39歳の日本人女性)】

※ 上皮内がんを含む

国立がんセンターがん対策情報センター、人口動態統計

20〜30代の若い女性で子宮頸がんの発症が急増しています

急増する若い女性の子宮頚がん

子宮頚がんは、乳がんについで罹患率が高いことはよく知られておりますが、特に20~30代では乳がんを超えて急増しています。
毎年約1,500人もの女性が新たに子宮頚がんにかかり、約3,500人が亡くなっています。 この現実に愕然とさせられます。きちんとがん検診を受ければ早期診断・ 治療でほぼ100%克服可能な病気なのですから。

子宮頚がんの原因はHPV(ヒトパピローマウイルス)感染

子宮頚がんは、HPVの感染が起こり発症することは、ハラルド・ツア・ ハウゼン博士のノーベル生理医学賞の受賞(2008年)以来よく知られるようになりました。
セックスがあれば誰でもHPVに感染し、その多くは免疫力でウイルスは排出されます。
しかし、一部の人では 感染が持続したまま、数年から数10年の経過でがんを引き起こします。

思春期から性交経験し、長い未婚時代、複数のパートナーに出会う時代になって・・

セックスがあれば子宮頚がんのリスクがある、10代からセックスがある社会になって、2004年からは、子宮頚がんの行政検 診(地方自治体が費用の一部負担) が30歳から20歳に引き下げられました。
女性の平均初婚年齢29.2歳、平均初産年 齢30.1歳と上昇を続けおり、一方で結婚前に子宮頚がんにかかる女性が増えてきました。

子宮頚がん予防ワクチンは、世界120カ国以上で承認されています

「子宮頚がんの発症がHPV感染による」 ことが解明されたことで、ワクチンが開発されました(きよくりニュース10号、23号参照)。
ワクチンによる予防接種対策が他国に比べ遅れをとってきた日本において、ようやく2011年からワクチンの公費負担が実 施され、2013年4月から予防接種法が改正され、「任意接種から定期接種(引き起こされた副反応により、治療が必要になり、健康障害が生じた場合には、法に基づく補償を受けられる)」 になりました。

「ワクチン接種による副反応を調査・評価中、当面は定期接種を勧奨しない」 (厚労省通達2013年6月14日)

一連のマスコミによる副反応報道等の影響により、接種に不安を抱く女子や保護者がいらっしゃると思います。
どんなワクチンで も副反応がまったくないというものは在りません。
ワクチン接種で約70%の発症を減少させることが期待できます。 ワクチン接種の 可否は、リスクと恩恵の両方を正しく評価し、選択するものです。
今回問題になった「複合性局所疼痛症候群」のリスクは約 210万接種に1回(一人3回の接種として210÷3=70万人に1回、0.00014%の頻度) (2013年厚生科学審議会予防 接種ワクチン分科会副反応検討会)と極めて低いものです。
ちなみに日本人女性70万人あたりの子宮頚がん発症は、220人 (30代では500人)という深刻な現実があるのです。

定期的に子宮頚がん検診を受けましょう
ワクチン接種の有無に関わらず、検診は定期的に受けなければなりません。

20〜30代の若い女性で子宮頸がんの発症が急増しています

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